俳句
俳句の作り方 蟬の俳句
子を殴ちしながき一瞬天の蟬 秋元不死男あきもとふじお こをうちし ながきいっしゅん てんのせみ 蟬が夏の季語。 悪いことをした我が子の頬を打った。 打った瞬間の永遠のように感じられる時の長さ。 掌の熱い痛み。 寂しい悲 […]
俳句の作り方 涼しの俳句
大の字に寝て涼しさよ淋しさよ 小林一茶こばやしいっさ 涼しが夏の季語。 もともと「涼し」は秋の冷気を表しました。 しかし蒸し暑い日本の夏。 木陰、うちわの微風、風鈴の音など涼しさをよぶものがほしいところです。 そんな涼 […]
俳句の作り方 緑さすの俳句
緑さす薄粥を花のごと余す 小林康治こばやしこうじ みどりさす うすがゆを はなのごとあます 緑さすが夏の季語。 句意を申し上げます。 青葉の生い茂るそばで、うすい粥をすすったが食べ残してしまいました。 その食べ残しは、 […]
俳句の作り方 蛍の俳句
生まれた家はあとかたもないほうたる 種田山頭火たねださんとうか ほうたる、すなわち蛍が夏の季語。 没落した生家は跡形もなく、蛍が飛び交っているばかり。 寂しすぎる。 寂しさを越えて青ざめている山頭火。 山頭火は […]
俳句の作り方 薔薇の俳句
微笑する薔薇に魅入られペンぽとり 伊庭直子いばなおこ 薔薇が夏の季語。 この句は『河』誌2021年8月号に掲載された作品です。 花屋で買い求めた薔薇。 それを机上に活けました。 むろん句づくりのためです。 じっと […]
俳句の作り方 夏の月の俳句
横顔の弥勒菩薩や夏の月 伊庭直子いばなおこ よこがおの みろくぼさつや なつのつき 夏の月が夏の季語。 この句はネット公募のHAIKU日本で2020年に佳作を獲った作品です。 奈良県生駒郡斑鳩町いかるがちょうにある中 […]
俳句の作り方 夏草の俳句
夏草はさしも伸びけり雨あがる 伊庭直子いばなおこ 夏草が夏の季語。 繁茂する夏草は生命力に満ちています。 夏草はさしも伸びけり雨あがる この句はネット公募のHAIKU日本で 2019年に佳作を獲った作品です。 夏 […]
俳句の作り方 実梅の俳句
実梅とり少年の声大人びて 伊庭直子いばなおこ 実梅が夏の季語。 梅の花は2月頃咲き、『梅の実は5月から6月に急速に育つ。 熟す前の硬くて青い実を「青梅」と呼ぶ。 葉の色にまぎれがちながら、梅雨時に雨粒をはじいている様子 […]
俳句の作り方 薔薇の俳句
薔薇崩る激しきことの起る前 橋本多佳子ハシモトタカコ ばらくずる はげしきことの おこるまえ 薔薇が初夏の季語。 薔薇は中国から渡来し、そうびと呼ばれました。 菅原道真スガワラノミチザネの歌や紀貫之キノツラユキらの 「 […]
俳句の作り方 麦秋の俳句
麦秋の中なるが悲し聖廃墟 水原秋櫻子ミズハラシュウオウシ 「麦秋」が初夏の季語。 麦の穂は5月から6月にかけて実り、見渡す限り黄金色に輝きます。 秋というのは刈り入れをする時期だからです。 そんな黄金色の麦畑の中に、長 […]