俳句の作り方 桜貝の俳句
つれづれを爪にはりけり桜貝 伊庭直子いばなおこ
つれづれを つめにはりけり さくらがい
この句は2021年ネット公募HAIKU日本で佳作を獲得しました。
桜貝が春の季語。
花貝、紅貝とも言います。
「桜の花弁のような色の二枚貝で殻の長さ1センチから5センチ。
北海道以南にひろく分布し浅海の砂泥域に棲息する。
実際目にするのは、波打ち際に打ち上げられた貝殻である。
殻は薄く透き通って美しい。」
(俳句歳時記 春 角川書店編)
海岸で拾ってきた桜貝ひとつ。
ぼんやり眺めています。
すると潮騒が聞こえてきたではありませんか。
潮風の匂いや頬をなでる感触もよみがえりました。
でも想い出にひたっているばかりで何もする気がおこらない。
いや何もすることがないのです。
ただ無心に桜貝をみているだけ。
ああ、そうだ爪に貼ってみよう。
そんなことを思い立ちました。
米粒に水を含ませて柔らかくします。
それを桜貝に付けます。
そして桜貝を左の中指に軽く押し付けました。
わあっ、いい感じ!
もともと薄ピンクのネイルを塗っていたので素敵なアクセントになりました。
つれづれを爪にはりけり桜貝
この句がもしも
桜貝爪にはりけりつれづれに だとしたら
説明的な句になって佳作を獲れなかったでしょう。
やはりここは
つれづれを爪にはりけり桜貝 でなくてはいけません。
桜貝を使った著名俳人の句をご紹介します。
桜貝ひとつ拾ひてひとつきり 三村純也みむらじゅんや
淋しい気分が表現されてます。
伊庭さんに聞きたいのですが、 桜貝ひとつ拾ひてひとつきり の三村純也さんの句良い句なんですか?
私の理解力不足のせいなのか、感銘を受けません。
確かに淋しさは表現されていますが…
伊庭さんの句の方が私は感銘を受けましたが。