俳句の作り方 アネモネの俳句
アネモネや神々の世もなまぐさし 鍵和田のぎへんに由かぎわだゆうこ
アネモネや かみがみのよも なまぐさし
アネモネが春の季語。
「地中海沿岸原産のキンポウゲ科の多年草。
明治初期に渡来し観賞用に栽培されてきた。
早春から初夏にかけて花茎に花をつける。
花弁のように見えるのはがくで、白・桃・紫・青などの色がある。
ギリシャローマ神話に由来する花で、鮮やかな色合いが印象的。」
(俳句歳時記 春 角川書店編)
アネモネや神々の世もなまぐさし
句意を申し上げます。
ああ、アネモネよ。
ギリシャ神話の世界でも嫉妬が渦巻き、血が流れたことですよ。
アネモネや神々の世もなまぐさし
鑑賞してみましょう。
オリュンポス十二神の一人、愛と美の女神アフロディテにまつわるギリシャ悲劇をご紹介します。
アフロディテが息子のキューピットと遊んでいると、
キューピットの放った矢がアフロディテに誤って当たってしまいます。
キューピットの矢といえば最初に見た人間に恋をしてしまう愛の矢です。
女神も例外ではありません。
女神は美少年アドニスに夢中になりました。
そして、彼女の恋人戦いの神アレスはアドニスに嫉妬します。
自ら猪に姿を変え、アドニスが狩りをしている最中牙で突き殺してしまいました。
アネモネはアドニスが流した血から咲いた花です。
アネモネや神々の世もなまぐさし