俳句の作り方     水馬あめんぼうの俳句

     水馬この世の先へ走りたる  斎藤一骨さいとういっこつ

    あめんぼう このよのさきへ はしりたる

 

 

     水馬あめんぼうが夏の季語。

    「小川や池、沼の水面に長い6本の足を張って

    すいすいと滑走したり水面をはねたりしている灰褐色の昆虫の総称。

    飴に似た匂いがするのでこの名があると言われている。

    歴史的仮名遣いの『飴棒』を語源として『あめんぼう』とする説もある。」

     (俳句歳時記 夏 角川書店編)

 

 

     句意を申し上げます。

    あめんぼうが、余りにも素早く水面を走ったので姿を見失いました。

    まるでこの世の先(あの世)へ走ってしまったかのようです。

    水馬この世の先へ走りたる

 

 

     鑑賞してみましょう。

    あめんぼうが水面を滑走してホテイアオイの葉陰に隠れてしまいました。

    それを見た私(作者)は、あめんぼうを愛しく思いました。

    なぜなら私はこのあめんぼうと同じように生き急いでいるかもしれないからです。

    私は自分がいとしく思えました。

    この小さな生き物に自分を重ねたのです。

     水馬この世の先へ走りたる

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