俳句の作り方 凍つ いつの俳句
この世よりこぼるるものの凍てにけり 石・山かんむりに鳥・岳 いしじまがく
このよより こぼるるものの いてにけり
凍つが冬の季語。
「寒気のためものが凍ること。
また凍るように感じる事。」
(俳句歳時記 冬 角川書店編)
この世よりこぼるるものの凍てにけり
この世よりこぼるるものの凍てにけり
句意を申し上げます。
現世から落ちてこぼれる者は、自分自身が凍るように感じたものだなあ。
鑑賞してみましょう。
こぼれる者は作者自身です。
そしてこの世とは競争社会のことです。
私(作者)は恋をしました。
23歳のときです。
相手の女性も好意を持ってくれました。
でも、彼女に猛烈にアタックするライバルSが登場したのです。
当初は彼女もSにつれなくしていましたが、だんだんSに惹かれていったのです。
私も負けてはいません。
逢えないときは、頻繁に電話をかけたり手紙を書いて送りました。
そして2月14日のバレンタインデーに、チョコレートをデートの際に渡しました。
「これからも貴女を想う気持ちは変わりません」と一行、カードに書きました。
恋人に贈るバレンタインチョコは男性からでもOKだと思ったのです。
でも、違いました。
彼女に「チョコレートです」と言って渡したとき、ヘンな顔をしたのです。
私は、まずかったと直感しました。
体が凍り付くほど失敗だったと思いました。
この世よりこぼるるものの凍てにけり
