俳句の作り方 みかんの俳句
子の嘘のみづみづしさよみかんむく 赤松惠子あかまつけいこ
このうその みずみずしさよ みかんむく
みかんが冬の季語。
「ミカン科の常緑低木の実。
代表的なものは鹿児島県産の温州うんしゅうみかんで、暖地に広く栽培される。」
(俳句歳時記 冬 角川書店編)
子の噓のみづみづしさよみかんむく
子の嘘のみづみづしさよみかんむく
句意を申し上げます。
親子で炬燵を囲んでみかんをむいていると、私(作者)の子供が嘘をつきました。
その嘘のなんと新鮮で活き活きしていることでしょう。
鑑賞してみましょう。
「子の嘘」を筆者は次のように想像してみました。
「お日様はもうすぐもう1個ふえるんだよ。僕の誕生日にね。」
「えっ? 本当? きっと暖かすぎてチョット暑いかも。」
「大丈夫。10本のローソクを吹き消したら、前のお日様は消えるんだ。」
「ああ、そうなんだ。良かった。」
「僕は何でもできるんだ。」
「すごいっ、何でもできるんだ。」
「うん。」
子供がつく嘘にはどこか初々しい光が宿っています。
その光の前で、私はついみかんをむく手をゆるめてしまいます。
果汁の雫が指から滴り、そのみずみずしさが子供の嘘の初々しさと重なります。
その時、蜜柑の香りとともに日常の柔らかな光が満ちていくのです。
子の噓のみづみづしさよみかんむく
