俳句の作り方 夕月の俳句
夕月を半殺しせり不貞寝せり 伊庭直子いばなおこ
ゆうづきを はんごろしせり ふてねせり
この句は2022年1月号の『河』に掲載されました。
夕月が秋の季語。
「夕月は新月から7、8日ごろまでの上弦の月のことで
夕方出て夜にはもう沈む。
月は雪月花の一つで古来多くの詩歌に詠まれ、物語の背景を支えてきた。」
(俳句歳時記 秋 角川書店編)
句意を申し上げます。
あの美しい夕月を半殺しにしましたよ。
そして不貞寝しましたよ。
私はちょっとした交通事故に巻き込まれました。
T字路での自転車同士の衝突です。
相手は逃走しました。
警察官を呼んでいろいろ話をしました。
その時彼の頭上にかかっていたのが夕月でした。
帰宅してこの美しい夕月をなんとかして一句に仕上げたいと思いました。
夕月を攻めてみるのですがうまくいきません。
いろいろひねくり回すだけで出来上がらないのです。
少々苛立ちを覚えました。
もういいや、夕月の句はあきらめた。
脳を休めるために横になろう。
ああ、あ、不貞寝です。
でも天井を見るうち思いつきました。
この状況を句にしよう。
夕月を半殺しせり不貞寝せり
伊庭直子いばなおこについて・・・。
2018年2月、生まれて初めて俳句を投稿する。
(ネット公募のHAIKU日本である。)
すると佳作に選ばれて「私って、天才!」(笑)と思う。
以降順調に佳作に選ばれ2020年秋、秀逸を獲る。
どんなに嬉しかったことか!
愛犬を抱き上げて小躍りしたのを思い出す。
2021年と2023年に準特選に選ばれる。
これからも精進しますのでご支援よろしくお願いいたします。
ユニークでいて感性も豊かな俳句だと思いました。
私もこういった感性の俳句作ってみたいですね。
(追記)
仕事の関係で今週の大阪句会は参加出来ませんが、頑張って下さいね。