俳句の作り方     花野の俳句

     花野ゆく母を探しに行くごとく    廣瀬町子ひろせまちこ

    はなのゆく ははをさがしに ゆくごとく

 

 

     花野が秋の季語。

    「秋の草花が一面に咲き乱れる広々とした野原。

    華やかさと共に、次の季節には枯野となる寂しさも併せ持つ。

    花と言えば春の季語で桜を指すが、花野は秋の季語で草の花を前提とする。

     古来、詩歌においては秋の野の草の花を愛でてきた。」

    (俳句歳時記 秋 角川書店編)

    花野ゆく母を探しに行くごとく

 

 

     

    句意を申し上げます。

    私(作者)は秋の野原一面に咲き乱れている景色の中を歩いています。

    まるでお母さんを探しに行くように。

 

 

     鑑賞してみましょう。

    私は母に豊かな愛情を注がれて育ちました。

    たとえば、幼いころからの私の好物の栗ご飯を旬の季節には炊いて食べさせてくれました。

    それに、小学生の時、算数を優しく教えてくれました。

    家族で信州に旅行した時、花野で迷子になったのですが、私を見つけた母はギュッと抱きしめてくれました。

    あの時の母の力強い腕と胸の暖かさは忘れられません。

     そんな母は年老いてしまい、老人ホームで暮らしています。

 

 

     この度、想い出の信州にやってきて花野を散策しました。

    若かった頃の母に会いたくて母との会話を思い出しながら散歩しました。

     花野ゆく母を探しに行くごとく

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