俳句の作り方     鷲わしの俳句

     わが而立握り拳を鷲も持つ    鷹羽狩行たかはしゅぎょう

    わがじりつ にぎりこぶしを わしももつ

 

 

     鷲が冬の季語。

    「タカ科のうち大型のもの。

    大鷲、尾白鷲、犬鷲などがいる。

    強大な翼と獲物を裂くのに適した鈎型の嘴、鋭い爪を持ち鳥獣を捕食する。

    生息数が少なく、国の天然記念物に指定されているものもある。」

     (俳句歳時記 冬 角川書店編)

     わが而立握り拳を鷲も持つ

 

 

     わが而立握り拳を鷲も持つ

    私は三十歳。

    決意の握りこぶしを鷲も持っている。

 

 

     鑑賞してみましょう。

    而立は三十歳の異名です。

    論語、為政の、三十而立 三十にして立つ から。

    われ三十ではなく「わが而立」にすることによって、ただ三十歳というだけでなく

    発奮して頑張ろうとする三十歳を表現しています。

 

 

     私(作者)は鷲が好きです。

    その眼光、嘴、爪、翼、どれをとっても偉大で端正です。

    獲物を捕らえた時、爪が食い込んで脚が握りこぶしのようになるのには感動します。

    そして、白頭鷲の顔は、まるで社会に反逆する白髪の科学者のようで、私は大好きです。

     ところで、10月5日、私は三十歳になります。

    今までにない俳句を創作していきたいという決意を固めています。

    その決意を鷲を使った俳句で表現したい。

    私が鷲で一番感動するのは、やはり獲物を捕まえた時の脚です。

    絶対、獲物を離すまいとする握りこぶしのような脚のかたち。

     したがって、三十歳の固い決意を鷲の脚で表現すると・・・。

     わが而立握り拳を鷲も持つ  となります。

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