俳句の作り方 五月の俳句
目つむりていても吾を統ぶ五月の鷹 寺山修司てらやましゅうじ
めつむりていても あをすぶ ごがつのたか
五月ごがつが夏の季語。
「月の初めに立夏がある。
みずみずしい若葉に包まれた生命感にあふれる麗しい月である。
薔薇ばらや牡丹ぼたんが開き、薫風が渡る。
カトリックでは五月は聖母マリアを讃える月となっている。
五月ごがつは新暦として五月さつきは旧暦として使う。
(俳句歳時記 夏 角川書店編)
目つむりていても吾を統ぶ五月の鷹
目つむりていても吾を統ぶ五月の鷹
句意を申し上げます。
目をつぶっていても見えなくても五月の鷹は、バラバラな私を支配して一つにしている。
鑑賞してみましょう。
五月の空を切り裂くように一羽の鷹が輪を描きました。
私はその姿を追いながらふと目をつぶってみる。
すると鷹ははっきり胸に残りました。
その像は私の心の視線をまっすぐにしました。
鷹の影は私の思考の上を静かに通り過ぎていきます。
影の軌跡はそっと心をつかんで離しません。
それに五月の風が鷹の意志を運んでくるように感じるのです。
私はただ立ち尽くして鷹の支配を受け入れています。
目を閉じても鷹の翳かげが私の内側を横切ります。
それは命令ではなく、ただ向かうべき方向を示しています。
五月の空の高さが私の背中をそっと押すと
もう鷹の通った道を歩き始めているのです。
目つむりていても吾を統ぶ五月の鷹

私も寺山修司の句の中で一男番好きな句です。
伊庭さんのこの句に対する観賞文も素晴らしいと思います。