俳句の作り方     ソーダ水の俳句

 沈黙やもう泡生まぬソーダ水    吉田千嘉子よしだちかこ

ちんもくや もうあわうまぬ ソーダすい

 

 

 ソーダ水が夏の季語。

「炭酸ガスを水に溶かした発泡性の清涼飲料水。

無味のものをプレーンソーダといい、一般にはこれに種々のシロップを加え緑や赤の色を着ける。」

 (俳句歳時記 夏 角川書店編)

 沈黙やもう泡生まぬソーダ水

 

 

 沈黙やもう泡生まぬソーダ水

 

 

 句意を申し上げます。

長い沈黙でソーダ水の泡が消えてしまいました。

 

 

 鑑賞してみましょう。

カフェのテーブルのソーダ水が静まる。

グラスの底に昼の光が落ちる。

泡のあとが細い線になる。

この泡は二人の最後の恋。

 店内のざわめきが少し弱まる。

コーヒーの香りが鼻をかすめる。

窓際の客が紙ナプキンを使う。

私の視線がソーダ水にもどる。

 ソーダ水の面が完全に動かなくなる。

隣の席の椅子が一度だけ鳴る。

スタッフの足音が奥へ消える。

私の呼吸が深くなる。

 沈黙やもう泡生まぬソーダ水

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