俳句の作り方 芒すすきの俳句
うつすらと月光を脱ぐ芒かな 鈴木章和すずきあきかず
うっすらと げっこうをぬぐ すすきかな
芒が秋の季語。
「イネ科の大型多年草で日当たりのよい山野のいたるところに自生する。
屋根をふくのに使用したためカヤともいう。
秋には黄褐色か紫褐色の花穂をつける。
花穂が開くと真っ白な獣の尾を思わせるような形となり尾花と呼ばれる。」
(俳句歳時記 秋 角川書店編)
うつすらと月光を脱ぐ芒かな
うつすらと月光を脱ぐ芒かな
句意を申し上げます。
月光を浴びていた芒。
雲に月が隠れていくのと同時にかそけき光が失われていきました。
鑑賞してみましょう。
早朝の散歩道、芒の群れに淡い月光が射していました。
風は弱く穂先がわずかに揺れました。
私は立ち止まり、湿った地面の匂いを胸いっぱい吸いました。
芒の表面から月光が少しずつ消えていくのが見えます。
雲が流れ、月が半分隠れて光が弱まると芒の白さが急にうすれました。
一本一本の花穂が光を手放すように色を変えていったのです。
私はポケットの中で手を握りしめ、指先の冷えを確かめました。
芒は表面の光がさらに減り、もともとの草の色になろうとしています。
月が九割がた隠れ、花穂から光がほぼ消えました。
それでも残っていた淡い光が芒を照らしています。
私はその変化をじっと見つめ、大きく息を吐きだしました。
月光が完全に抜けた芒が、朝の色を取り戻そうとする瞬間を確かに目撃しました。
うつすらと月光を脱ぐ芒かな
