俳句の作り方 ミモザの俳句

 恋の虚実ミモザは知らず手から手に  伊庭直子いばなおこ

こいのきょじつ ミモザはしらず てからてに

ミモザが春の季語。

この句は2021年4月号の『河』に掲載されました。

 

 

 ミモザについて・・・。

「オジギソウなどのマメ科オジギソウ属(学名Mimosa)の植物の総称。

葉に刺激を与えると動く。

またフサアカシアなどのマメ科アカシア属の植物の俗称。

イギリスで南フランスから輸入されるフサアカシアの切り花をミモザと呼びました。

アカシア属の葉は刺激を与えても動きません。」

(Wikipediaより)

3ⅿから10ⅿの常緑樹です。

恋の虚実ミモザは知らず手から手に

 

 

 ところでミモザの花言葉には秘密の愛というものがあります。

独身男性や夫以外の男性が既婚女性に贈る場合もあるでしょう。

夫婦以外の既婚女性に贈られたミモザには何か意味深長な雰囲気があるでしょう。

恋の虚実ミモザは知らず手から手に

 

 

 句意を申し上げます。

虚実とはうそとまことです。

手渡された多くのミモザの花束にはうそとまことがあるやもしれません。

愛してはいないのに利己的な欲の為にミモザを贈る場合があるでしょう。

いっぽう真摯な気持ちからそうすることもあるでしょう。

人間のそんな気持ちをミモザは知りません。

手から手へとミモザは渡ります。

恋の虚実ミモザは知らず手から手に

 

 

 ミモザを用いた著名な俳句をご紹介します。

少女期のふしぎな眩暈花ミモザ  堺信子さかいのぶこ

しょうじょきの ふしぎなめまい はなミモザ

作者は少女のころを回想しています。

あの頃は危うい言動や心情があったなあと回想しているのです。

大人になる過渡期のあやうさやもろさを

ふしぎな眩暈と表現しているところが卓越しています。

またミモザの華やかな黄色は少女にとっては強烈です。

まったくもってクラクラしてしまいます。

少女期のふしぎな眩暈花ミモザ

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