俳句の作り方 涼しの俳句
風生と死の話して涼しさよ 高浜虚子たかはまきょし ふうせいと しのはなしして すずしさよ 風生とは俳人富安風生とみやすふうせいのことです。 虚子の別荘の虚子山蘆さんろでの出来事です。 […]
俳句の作り方 水鶏の俳句
叩けども叩けども水鶏許されず 高浜虚子たかはまきょし たたけども たたけどもくいな ゆるされず 水鶏くいなが夏の季語。 「ツル目クイナ科の鳥の総称。 水鶏、緋水鶏などがあるが […]
俳句の作り方 凌霄の花の俳句
凌霄やギリシャに母を殺めたる 矢島渚男やじまなぎさお のうぜんや ギリシャにははを あやめたる 凌霄が夏の季語。 「凌霄はノウゼンカズラ科の蔓性の落葉樹で 7月から8月に濃 […]
俳句の作り方 罌粟の花の俳句
罌粟ひらく髪の先まで寂しきとき 橋本多佳子はしもとたかこ けしひらく かみのさきまで さびしきとき 罌粟が夏の季語。 「ケシ科の花の総称。 4月から6月、茎の頂に一重または八重の花を開く。 色は真紅、紫、白、絞りな […]
俳句の作り方 雲の峰の俳句
雲の峰一人の家を一人発ち 岡本眸おかもとひとみ くものみね ひとりのいえを ひとりたち 雲の峰が夏の季語。 「夏の代表的な雲が『積乱雲』です。 青空に白く大きな雲が垂直にぐんぐん伸びて輝きます。 むくむく盛り上がる […]
俳句の作り方 青嵐の俳句
青嵐葉擦れ迫りて我棒に 伊庭直子いばなおこ あおあらし はずれせまりて われぼうに この句は2021年9月号の『河』に掲載されました。 青嵐が夏の季語。 「青葉の頃に吹き渡るやや強い南風。 『セイラン』と音読する […]
俳句の作り方 夏の暁の俳句
棘ひとつ寂とこぼるる夏の暁 伊庭直子いばなおこ とげひとつ せきとこぼるる なつのあかつき この句は2021年9月号の『河』に掲載されました。 こぼるるは零れると毀れるの二つの解釈があります。 この句では毀れる、 […]
俳句の作り方 蜥蜴の俳句
淋しくて蜥蜴にもどる夕べかな 伊庭直子いばなおこ さびしくて とかげにもどる ゆうべかな この句は2020年10月号の『河』に掲載されました。 蜥蜴とかげが夏の季語。 「全長10センチに達し尾が長い。 成体は一 […]
俳句の作り方 簾の俳句
骨とほり抜くる寂しさ簾鳴る 伊庭直子いばなおこ ほねとおり ぬくるさびしさ すだれなる この句は『河』の2020年9月号に掲載されました。 簾が夏の季語。 「青竹を細く割って編んだもの。 軒や縁先に吊るして日を遮り […]
俳句の作り方 夏燕の俳句
遥かなる故園はひりり夏燕 伊庭直子いばなおこ はるかなる こえんはひりり なつつばめ この句は『河』の2020年9月号に掲載されました。 夏燕が夏の季語。 「春に南方から渡ってきた燕は4月から7月に通常2回産卵 […]