俳句の作り方     昼顔の俳句

 昼顔に電流かよひゐはせぬか    三橋鷹女みつはしたかじょ

ひるがおに でんりゅう かよいいはせぬか

 

 

 昼顔が夏の季語。

「ヒルガオ科の多年生つる性草本の花で、野原や道端の他の草や木に絡み、

初夏から初秋にかけて朝顔に似た淡紅色の花をひらく。

主として日中に開花するので昼顔と言う。」

 (俳句歳時記 夏 角川書店編)

 昼顔に電流かよひゐはせぬか

 

 

 昼顔に電流かよひゐはせぬか

 

 

 句意を申し上げます。

昼顔に電流が通っていないだろうか?

いいえ、きっと通っている。

 

 

 鑑賞してみましょう。

炎天下でも昼顔は静かに張り詰めて咲いています。

きりりと咲く様子を見つめていますと、花弁の奥に細い光が走るような気がします。

私はその光に触れるたび胸の奥がかすかにふるえます。

花を貫くものが私にもあるのではと思うのです。

 昼の強い光にさらされても昼顔は決して緩まない。

その緊張は静かに通る電流のようです。

私は花を見る者でありながら同じ回路に立つ者でもあるのです。

昼顔に通う電流が私の内側にも貫いていると気づくのです。

 ふと「電流が通っているのではないか?」と問うのですが、

その問いは昼顔の存在を一気に際立たせます。

花の強さと私の情念が、一つの線で結ばれる瞬間のひらめき。

その閃きこそが私の一句を生む火花となったのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です