俳句の作り方 露の俳句
露の世は露の世ながらさりながら 一茶いっさ
つゆのよは つゆのよながら さりながら
露が秋の季語。
「水蒸気が地表近くの冷たいものの表面に凝結して水滴となったものを言う。
風のない晴れた夜に発生する。
秋に著しいので、単に露と言えば秋の季語になる。
露時雨つゆしぐれは草木の葉などに露がたまって滴り落ちるさまが、あたかも時雨のようであることから。
日差しとともに消えることから、古来、「露の世」「露の命」などといって
儚いもののたとえに用いられる。」
(俳句歳時記 秋 角川書店編)
露の世は露の世ながらさりながら
露の世は露の世ながらさりながら
句意を申し上げます。
儚いこの世は儚いながら、それでも生きていればよいことがある。
それは生に対する執着なのかもしれない。
鑑賞してみましょう。
朝の道に立つと草の葉の先に露が光っていました。
そのはかなさに私は自分の歩んできた翳を重ねました。
幼いころに喪った家族の面影がふと胸をかすめます。
露の光は過ぎたものをそっと呼び戻す力があります。
世の中はつゆのようにはかない。
それはもう知りすぎるほど知りました。
それでも、そうであっても、心は何かを手放しきれずにいます。
露の世で、私は句を詠むことで何とか気持ちを保ってきました。
悲しみも孤独も俳句と言う小さな器に入れれば少しは軽くなります。
生活のためではなく、心が崩れぬよう俳句を杖にしてきました。
この一句は私がどうやって重い人生を持ちこたえてきたのかを表現しています。
露の世は露の世ながらさりながら
